ＳＰコードに最高というものはない。
逆の言い方をすれば、すべてのＳＰコードが最高である。現にすべてのメーカーは自社のコードが最高と言っている。
実際には一長一短ということであり、0.18×20芯の細くてへなへなのコードが威力を発揮することもある。筆者も書斎のＢＧＭ用にはわざとへなへなのコードを使っている。メイン・システムのＳＰコードは5.5口の強電用のキャブタイヤで、当然ＯＦＣではなく、酸素を含んだタフピッチ銅線である。もし同じ構造でＯＦＣのものがあれば使いたいところだが、今のところ見当たらない。
コードの音質を左右するファクターは、構造、強度、重量、共振、ダンプ、長さ、断面積、錆びやすさ等であり、その他のファクターは音質には関係がない、と筆者は思っている。OFCはわりと柔らかいので、被覆でしっかり押さえ込めば共振しにくい。また、LC-OFCほど錆びやすくないので使いやすい。価格もそれほど高くならない。
フォステクスのコードＳＦＣ１００はOFCを使ったごく当たり前のコードで、当たり前の太さ、当たり前の価格。これで音も当たり前なら紹介する意味もないわけだが、音はなかなかいい。くせがなくバランスがとれている。5.5口ほどではないにしても力もある。これでピンコードを作っても面白いと思う。