別冊FMfanでデッキを20台テスト、それに入らなかった（数の関係ではみ出した）何台かのうちの1台がこれだ。小型ブラックパネルのスマートなデッキで、それほど高級感はないが、中身は濃い。コンビヘッドによる3ヘッド。メカもしっかりしているが、アンプのクォリティが高いように思う。ホルダーはソフト・イジェクトの標準タイプ。操作ボタンは自照式、フェザータッチで軽快、操作音が静かでよい。メーターは指針式だが、ブルーとグリーンの品のよい照明で、わりと見やすい。見かけよりは高級なメーターなのではないかと思う。内蔵の1kHz発信器を使って、録･再感度調整可能。adres内蔵は当然だが、変わっているのは、アドレス・レコード再生用端子も付いていること。もちろんアドレス・エンコードしたレコードがなければ役に立たない。テープセレクターはフェリクローム込みの4ポジション。それにバイアス微調ツマミがある。録･再のf特は、テープ紹介のところを見てもらうとして、音は立派だ。アンプのクォリティが高いためと思うがDレンジが広く、透明度があり、艶と力強さがある。かなり猛烈なレコードをダビングしても、それほど劣化が目立たない。エアチェックではソースとの差はまずわからないだろう。デッキはかなりのハイレベル録音に耐えるようなので、テープさえよければ、オーバー気味の録音をした方がよいと思う。
