トップガンDVD版とLD版の測定

ＬＤ版

ＤＶＤ版

Ｒ＋Ｌ、視聴位置（SPから約２．５メートル）で測定

　オープニングのＦ１４の着艦、発艦場面である。
　ＬＤ版の方が低域と高域のレベルが高い。ＤＶＤ版は、明らかに２５Ｈｚはカットされ、６ｋＨｚ以上は抑えられている。低域のピークも押さえられているようだ。この結果、全体の威圧感が抑えられ、全体の切れ込み不足を感じるのだろう。
　ＬＤ版は、マニアをターゲットにしており、ＤＶＤ版はＴＶでの一般向けを意識していると思われる。スピーカーの破損等を防ぐためかもしれない。ジェットエンジンの”キーン”という猛烈な高域が抑えられると迫力、リアリティーがどうしても後退してしまうが、安全を考えたのだろう。なお、１．６kHzを中心とした山は主に人の声（台詞）である。

　管制塔をかすめる場面である。
　２５Ｈｚのレベルが少し違うのとやはり高域が抑えられているのは前記と同じである。ＬＤ版の方がピークが鋭い、何と５０Ｈｚ以下の低域はそっくりである。ＤＶＤ版の方が低域が厚そうだが、聴感上は、むしろシマリ不足に感じ、測定結果以上に聴感上の違いは大きい。ＤＶＤ版は一聴して判るほどリミッターがかかっていて、少し不自然に感じるほどである。

　最後の戦闘場面である。
　ＬＤ版は何と３２Ｈｚ以下が全て全く同じである。これは、そういう作りなのか、ＬＤ固有の何か他の影響なのか？ＤＶＤ版は低域については、ここではよく頑張っている。ただ、やはり高域は少し抑えられている。鋭いエンジン音が少し足りない。リミッターもかかっているようである。ただし、前の２つの場面よりはいい。それは測定結果にもよくでている。

　ＤＶＤの普及はＬＤの比ではないので、廉価版ＤＶＤは一般家庭での使用を考え、よくコントロールされているようだ。薄型テレビ内臓のＳＰを壊したらそれはそれで問題だろう。
　ネットで調べていたら、ＤＶＤ版はもう一つのバージョンがあるみたいなので、機会があれば今度はそちらを視聴してみようと思う。もう一つのバージョンは既にこういったことを受け、解消のためのバージョンなのかもしれない。知らなかったのは自分だけだったりして・・・。

　それにしてもＦ-１４が退役してしまったとは、時代の流れを感じる。